心落ち着く北見の重要スポット「ピアソン記念館」

北海道開拓時代、道内各地を伝道したピアソン宣教師

ピアソン記念館が建てられたのは1914年(大正3年)で、アメリカ人宣教師であったピアソン夫妻が道内各地を周り、終着として北見を訪れたのちに建てられた建造物です。

設計は有名な建築技師ウイリアム・メレル・ヴォーリズ氏のよるもので、明治の末期から日本各地で洋風建築物を多く手掛けています。

ピアソン夫妻はここに15年間住まわれたのちに、アメリカに帰国されました。その後1969年(昭和44年)こちらの建物は北見市教育委員会が文化財として復元保存されています。

1971年(昭和46年)にピアソン記念館として開館し、現在は指定管理者NPO法人ピアソン会が管理下の元に運営しています。また2001年(平成13年)北海道遺産に設定されています。

ピアソン夫妻の出会いと活動

ジョージ・ペック・ピアソン

1861年アメリカ合衆国ニュージャージ州エリザベス市で牧師の子として生まれました。1888年プリンストン神学校をご卒業後、明治学院神学部に教師として日本に派遣されました。

アイダ・ゲップ・ピアソン

1862年4月にペンシルベニア州フィラデルフィアで弁護士の子として生まれました。1890年米国聖公会宣教教師として来日、セント・マーガレット・女学校(現立教女学院)で教えていました。

お二人は当時、築地にあった外国人居留地で出会ったと記録されています。その後結婚されたお二人は北海道で活動していきます。北星女学校(現北星学園)や札幌農学校(現北海道大学)で教壇に立ったこともあるそうです。

函館、伊達、室蘭、小樽、札幌などの地域の教会も支援されていました。1897年(明治30年)頃には活動拠点を札幌市へ移したのち、1901年(明治34年)活動拠点を旭川市に「遊郭設置反対運動」「監獄伝道」「アイヌ民族への人権活動」「婦人の人権活動」等を精力的に実践されていきました。

夫妻の志は現在も精神文化の拠り所として多くの人々に根付いています。

次世代に残していく、北見の大切なスポット

ピアソン記念館の中に入ると沢山の文献と資料が残っていますが、その中でもピアソン聖書と呼ばれる、ピアソン氏がご本人が編集された聖書があります。

文語体で書かれている日本語の聖書に、注釈をつける作業を日本語を学びながら28年間の間作業されました。

外国人には様々な苦労があったと思われる時代の中で、このような活動をしていたということはとても大変だったと思います。

館内2階には、歌手のMISIAさんが「恋は終わらないずっと」のPVロケで座っていたソファがあり、多くのファンが写真を撮影に訪れるスポットになりました。

ピアソン記念館は決して派手な観光スポットとはいきませんが、ピアソンご夫妻の生活に触れる事ができ、非常に心が落ち着つくところで、この場所が北見の大切な重要文化財だと知る事が出来る建築物でした。

もう一方の、左手の部屋にはヴォーリズ記念室」があります。ここで分かったのですが、メンソレータムを日本に普及させた方でした。を患部に塗って優しく労ってもらった小さい頃を思い出しました。

ピアソン記念館は写真撮影が禁止されている訳ではないのですが、スタッフさんに写真映えスポットを聞いてみると教えていただく事ができました。ありがたく撮影させていただきましたが、改めて色んな方に知っていただきたい場所の一つでした。

ピアソン記念館は「NPO法人ピアソン会」が管理されているのですが、ホームページによると、色々な活動をされていて、長い間ここを守っている事が分かりました。同時にご夫妻のお気持ちを一番ご理解し、継承している事を知りました。

姉妹都市エリザベス

1969年(昭和44年) 北見市とエリザベス市は、姉妹都市の提携を結んでいます。

ピアソン記念館の中には、ご夫婦が来客用の応接室として利用していた部屋にエリザベス市に関する貴重な資料が展示されていました。

北見市がエリザベス市の雰囲気が、とてもよく似ていたところから、ピアソンさんは伝道の拠点に選ばれたようです。彼の心の中には、いつも故郷のエリザベスの美しい街があったんですね、心が暖まるエピソードです。

平和人権を守り、オホーツクの開拓にご尽力されたピアソンご夫妻の願いは、今も北見市の街に受け継がれています。

ピアソン夫婦は裸足で歩く子どもたちのために、道端に落ちているガラスの破片や釘を拾い集めていたと言います。そのお話を聞くと、北見市では春に行われている「冬あか一掃運動」という、雪解けに北見の街をきれいにするイベントに通じる物があると思いました。ご夫妻の精神は今もなお、北見の街に引き継がれていると実感します。北見駅から15分くらいですが、北見に来た際は是非立ち寄って見ることをお勧めします。イベントや休日を調べてから行く事もオススメしておきます。

ピアソン記念館へのアクセス

名称:ピアソン記念館/ぴあそんきねんかん

所在地:北見市幸町7丁目4番28号

TEL:0157-23-2546

開館時間:午前9時30分~午後4時30分

入 館 料:無料

休 館 日:毎週月曜日・国民の祝日の翌日・年末年始(12月30日~1月6日)

HPhttp://www.npo-pierson.org/

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この記事を書いた人 アパマンショップ北見店:北見っ子

北見に嫁いで早20年弱。道外出身者目線からのリポートを書いていきたいと思ってます。食べることが大好き、お酒が大好き、いつか北見の「おんな酒場放浪記」をしたいと思っている、北見LOVEな事務担当の者です。

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